先日、常連のお客様から「店主さん、毎日何時から動いてるんですか?」と聞かれました。「11時からじゃないの?」と思っていたそうです。実際には、営業開始のずっと前から動いています。一杯のラーメンをお客様の前に出すまでに、どれだけの時間と工程があるのか——今回はその舞台裏を、店主の私・鈴木諭の一日に沿ってお話ししたいと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 山道家のラーメンがどんな手間をかけて作られているか気になる方
- ✅ 清水駅周辺で昼ごはんを探していて、お店の雰囲気を知りたい方
- ✅ 家系ラーメンに興味はあるけれど入ったことがない方
- ✅ 働く人の昼食として満足感のある一杯を求めている方
- ✅ 飲食店の仕込みや裏側に興味がある方

朝8時台——スープの仕込みがすべての始まり
私の一日は、厨房に立つことから始まります。清水駅前の「侍ホルモン清水駅前店」の店内、昨夜の居酒屋営業が終わった静かな空間に一人入り、まず確認するのはスープの状態です。
山道家のスープは、豚骨と鶏ガラを合わせてとっています。それぞれの素材が持つ旨みを引き出しながら、濃すぎず・薄すぎずのバランスに仕上げるのが目標です。「家系ラーメンって脂っこそう」と思っている方がいるとしたら、それは少し惜しい先入観かもしれません。うちのスープは、飲み干せる飲みやすさにこだわっています。
骨をじっくり煮込む時間、火加減の調整、アクの処理——この工程に手を抜くと、仕上がりの味に必ず出ます。17年以上飲食の現場に立ってきた経験から言えば、「仕込みの丁寧さが、そのまま一杯の完成度になる」。それは今も変わりません。
9時台——燻製チャーシューを仕上げる時間
スープの火が安定してきたら、次はチャーシューです。山道家のチャーシューは、豚肩ロースを低温調理してから、スモーカーで燻製にかけています。
燻製というと「手間がかかりそう」というイメージがあるかもしれませんが、この工程を入れることで、ラーメンのスープとチャーシューの味わいに奥行きが生まれます。一口食べたときに「あれ、なんかほかと違う」と感じていただけるとしたら、ここの仕事が効いているんだと思います。
実は私、趣味でドラムを叩いたり古着やミリタリーウェアを集めたりするのが好きなんですが、こういった「細かい工程に手をかける」感覚は、趣味の世界と通じるものがあります。見えないところへの投資が、最終的な満足感につながる——料理も、趣味も、同じだなと思うことがあります。
✓ ここまでのポイント
- スープは豚骨と鶏ガラを合わせ、飲みやすさと旨みのバランスを意識して仕込んでいる
- チャーシューは低温調理+燻製という2段階の工程で、他にはない風味を実現
- 営業開始の2〜3時間前から仕込みはスタートしている
10時台——麺・トッピングの準備と店内セット
スープとチャーシューの目処がついてきたら、麺とトッピングの準備に移ります。使っているのはもちもちとした食感の中太麺。家系ラーメンの特徴でもある、スープとの絡みやすさを意識した太さです。
ほうれん草はさっと茹でて水気を切り、海苔は一枚一枚丁寧に準備します。キャベチャー(キャベツとチャーシューを合わせたトッピング)も、この時間に仕上げておきます。これらのトッピングは、お客様がカスタマイズして楽しめるようにと揃えたもの。家系ラーメンって実は「自分流にカスタムできる」のも面白いところなんです。
店内のカウンター5席を拭き上げ、箸・レンゲ・タレを確認して、ライス用の炊飯器をセット。ライスは無料でお出ししているので、忘れずに炊いておくのが大事な準備のひとつです。スープをライスにかけて食べる——これが家系の醍醐味のひとつでもありますから。
11時——「いらっしゃいませ」の一言に込めるもの
開店は11時。清水駅西口から徒歩1分という立地もあって、開店すぐに来てくださるお客様もいます。営業職の方、配送の合間に立ち寄る方、建設現場の方——昼休みの時間は人それぞれで、短い方は本当に「15分でなんとかしたい」という状況の方もいます。
だから提供スピードは意識しています。お客様が席に着いてから、できるだけ早くラーメンをお出しする。仕込みを丁寧にしておくことが、スピードにもつながっているんです。仕込みと提供は、表と裏でつながっています。
「提供が早く助かります。昼休みが短いので、ここなら安心して来られます」
30代・男性(営業職)
「ライス無料が嬉しいし、思ったより食べやすかったです。また来ます」
40代・男性(地元住民)
こういった言葉をいただけると、朝から仕込んできた時間が報われる気がします。大げさかもしれないけれど、本当にそう思います。
14時——営業終了と、翌日への準備
営業は14時まで。最後のお客様をお送りして、片付けと洗い物をして、翌日の仕込みに必要なものを確認する。この時間が、私にとって「明日の一杯」への準備です。
夜は「侍ホルモン清水駅前店」として居酒屋営業が始まりますが、その設備を昼の時間帯にも活かして山道家を運営しているのが今のスタイル。無駄にしない、使い切る——これも飲食店を長く続けてきた中で学んだ発想です。
清水駅周辺で17年以上、地域の方々に支えてもらいながらここまで来られました。山道家を始めたのも、「昼の時間に地域の働く方々の力になれることをしたい」というシンプルな動機です。清水港の近くで育ったこの街への恩返しのつもりで、今日も一杯一杯を作っています。
まとめ——一杯のラーメンの裏側に
開店前から始まる仕込み、スープ・チャーシュー・麺・トッピングのそれぞれへの手間、そして11時の開店から14時の終了まで——一杯のラーメンは、こういう積み重ねの上に完成しています。
「午後も頑張れた」とおっしゃっていただける一杯を、これからも清水駅前から届け続けていきたいと思っています。初めての方も、ぜひ気軽に暖簾をくぐってみてください。カウンター5席の小さな店ですが、その分、一杯一杯に向き合える場所です。
メニューやお店の詳細は下記からご確認いただけます。お気軽にのぞいてみてください。
日々の様子やラーメンの写真はInstagramでも発信しています。来店前の参考にどうぞ。

