スープ作りの朝に密着してみた

先日、常連のお客様から「マスター、朝何時から仕込みしてるんですか?」と聞かれました。「えっ、そんなこと気にしてくれてたの?」って正直ちょっと嬉しかったんですよね。

そのお客様は毎週木曜日に必ず来てくださる建設業の方で、「昼休みにここで食べると午後の仕事がはかどる」と言ってくれる。その一言がずっと頭に残っていて、今回思い切ってスープ作りの朝を記事にまとめてみることにしました。

普段は厨房の中でひとりで黙々とやっている作業ですが、せっかくなので包み隠さずお見せしようと思います。

こんな方におすすめ

  • ✅ 山道家のスープがどうやって作られているか知りたい方
  • ✅ 家系ラーメンのスープの仕込みに興味がある方
  • ✅ 店主の人柄や店の雰囲気をあらかじめ知ってから来店したい方
  • ✅ 清水駅近くで本格家系ラーメンを探している方
  • ✅ 昼ごはんに何度か通えるお気に入りの店を見つけたい方
スープ作りの朝に密着してみた | 横浜家系ラーメン 山道家

朝7時すぎ、まだ誰もいない厨房へ

山道家の営業時間は11時から14時。カウンター5席のこぢんまりした店ですが、仕込みとなると話は別です。

私が厨房に入るのは大体7時過ぎ。夜は「侍ホルモン清水駅前店」として使っている同じ店舗なので、前の晩の片付けはすでに終わっている状態からスタートします。静かな厨房に電気をつけて、まず確認するのはスープのベースをとる寸胴鍋の状態。

豚骨と鶏ガラ、どちらも前日のうちに下処理を済ませておきます。これをさぼると臭みが出る。17年以上飲食をやってきて、この「さぼれない工程」というのは確実にあって、スープの下処理はそのひとつです。

朝の静けさの中で火をつけて、煮立ってくるのを待ちながらコーヒーを一杯飲む。この時間が実は一番好きだったりします。若い頃はドラムを叩いていたのでリズムを刻むのが好きなんですが、スープの泡が立つ音もなんとなく心地よくて。変な話ですけどね(笑)。

8時台、スープと向き合う時間

火加減の調整が、この時間帯のメインです。

家系ラーメンのスープというのは、煮込めばいいというものではない。強火で炊きすぎると乳化が進みすぎて味がぼやける。かといって弱すぎると旨みが出てこない。豚骨と鶏ガラのバランスをとりながら、その日の気温や湿度を感じながら火を調整する。

「感じながら」と書くとプロっぽく聞こえますが、要するに失敗を繰り返して覚えた感覚です。山道家を立ち上げてからの3年間、毎朝スープと対話してきた積み重ねが今の一杯をつくっている、というと少し大げさかもしれないけれど、実際そういうことだと思っています。

私が目指しているのは「濃厚だけど飲みやすい」スープ。横浜家系の王道をベースにしながら、清水で働くお客様が昼休みにさっと食べて、午後もしっかり動けるような一杯にしたい。重すぎず、でも満足感がある。そのバランスを毎朝確認しながら炊いています。

9時すぎ、チャーシューと仕上げの準備

スープが軌道に乗ったら、チャーシューの準備に移ります。

山道家のチャーシューは燻製仕上げ。豚肩ロースを低温調理器でじっくり火を入れた後、スモーカーにかけます。これが手間といえば手間なんですが、やめられないんですよね。普通に煮込んだチャーシューと食べ比べると、燻製の香りがスープとあわさったときの奥行きがまったく違う。

ミリタリーウェアや古着を集めるのが趣味なんですが、「一手間かけることで全体の質が上がる」という感覚は服も料理も同じだなと思っています。安いものでも手入れをすれば長く使える。料理も素材以上の何かを引き出すのが仕事、みたいな。

チャーシューをカットして、ほうれん草を茹でて、海苔を用意して。シンプルなトッピングですが、それぞれの仕込みに手は抜きません。

✓ ここまでのポイント

  • スープの仕込みは朝7時すぎからスタート。豚骨・鶏ガラの下処理は前日に完了させておくことが味の土台になっている
  • 火加減の調整は毎朝の対話。3年間の積み重ねで生まれた「濃厚だけど飲みやすい」バランスを毎日確認している
  • 燻製チャーシューは低温調理とスモーカーを組み合わせた一手間かけた仕上げ。このひと工夫がスープとの相性を高めている

10時半、開店前のひと確認

11時の開店に向けて、10時半ごろには一通りの仕込みが終わります。

ここで必ず自分でスープを一口飲む。「今日はどうだ」という確認です。毎日同じ素材、同じ工程でも、仕上がりはわずかに変わる。それが面白くもあり、緊張感でもある。「よし」と思えたら、その日の仕込みは完了。

醤油ダレとのバランスも確認して、麺の茹で具合の想定もしておく。カウンター5席、席数は少ないですが、昼休みに来てくれるお客様のほとんどは時間が限られている。配送業の方、営業で外回り中の方、工場から抜けてきた方。それぞれの「早く食べたい」に応えるために、段取りを頭の中に入れておくのがこの時間の仕事です。

JR清水駅の西口からほぼ徒歩1分という立地は、時間のないお客様にとって大事な条件だと思っています。だからこそ、店に着いてから待たせる時間は最小限にしたい。提供スピードへのこだわりは、立地へのこだわりと表裏一体なんです。

「提供が早く助かります。昼休みに余裕が生まれました」

40代・男性(営業職)

「ライス無料が嬉しいし、午後も頑張れた気がします」

30代・男性(配送業)

11時、扉を開ける瞬間

「いらっしゃいませ」と言いながら扉を開けるとき、毎回少し緊張します。3年続けてもそれは変わらない。

今日のスープは自分でも「いい」と思えた。あとはそれをお客様に届けるだけ。昼営業だけのシンプルな時間割ですが、その3時間に今朝からの4時間分の仕込みが詰まっている。

横浜家系ラーメン 山道家のラーメンは800円。ライスは無料でつきます。「家系ラーメンって入りにくそう」と思っている方にこそ来てほしい。メニューはシンプルで、カウンター席だから一人でもすっと入れる。清水で働く皆さんの昼休みのどこかに、この店が少しでも役に立てたらそれで十分です。

2009年に侍ホルモンを始めてから17年、飲食を続けてきた中でひとつ確信していることがあります。毎朝ちゃんと仕込んだものは、ちゃんと伝わる。それだけを信じてやっています。

まとめ

今回は普段あまり表に出さない「スープ作りの朝」を記事にしました。朝7時から始まる仕込み、火加減との対話、チャーシューの燻製、そして開店前の一口確認。地味といえば地味な作業の連続ですが、これが山道家の一杯の土台です。

清水駅西口からすぐの場所で、火曜から日曜の11時から14時まで営業しています。昼休みに迷ったときは、ぜひ顔を出してみてください。今朝炊いたスープで、お待ちしています。

メニューや営業日の詳細は以下からご確認いただけます。
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